Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

Lisez 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 101 908 caractères · 204 écrans

Aozora Bunko

まだ始めての誕生日もこない娘は、私の乳が出ないために、昼も夜も私のそばで泣きつづけてやせていきますの。ついに主人と私とは死を決心しました。しかし娘は死なせたくない。なんとか助かるものなら人のおなさけにすがっても、助けてやりたいと思い、心を鬼にして、ある露地に棄ててしまったのです」

「まあ」

「しかし、私たちは、すぐそれがまちがっていたと気がつきました。そこで、息せききって、娘を棄てた露地へ引返したのですが、そのときはもうおそかったのです。ほんの十分か十五分しかたちませんのに、娘の姿はもう見当りません。私たちは、必死になって娘をさがしまわりました。いいえ、今もなお、私たちはあらゆる手をつくして、娘をさがしつづけているのです、しかしわが子を棄てた罪を、神様はまだお許し下さらないものと見え、娘は未だに私たちのもとへ帰ってこないのです」

夫人は、ハンケチを目にあて、肩をふるわせて忍び泣くのであった。

「まあ、なんてお気の毒なお話しでしょう」

じっと聞いていた房枝は、その話が、他人事とは思えなかった。彼女の身の上にも、それと同じような話がある。房枝は、父母の顔も名もしらない淋しい孤子であった。