Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちちかえる

父帰る

菊池 寛

Lisez 父帰る (ちちかえる) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 615 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

新二郎 しかし兄さん、肉親の子として、親がどうあろうとも養うて行く……。

賢一郎 義務があるというのか。自分でさんざん面白いことをしておいて、年が寄って動けなくなったというて帰ってくる。俺はお前がなんといっても父親はない。

父   (憤然として物をいう、しかしそれは飾った怒りでなんの力も伴っていない)賢一郎! お前は生みの親に対してよくそんな口が利けるのう。

賢一郎 生みの親というのですか。あなたが生んだという賢一郎は二十年も前に築港で死んでいる。あなたは二十年前に父としての権利を自分で捨てている。今のわしは自分で築きあげたわしじゃ。わしは誰にだって、世話になっておらん。

(すべて無言、おたかとおたねのすすりなきの声がきこえるばかり)

父   ええわ、出て行く。俺だって二万や三万の金は取り扱うてきた男じゃ。どなに落ちぶれたかというて、食うくらいなことはできるわ。えろう邪魔したな。(悄然と行かんとす)

新二郎 まあ、お待ちまあせ。兄さんが厭だというのなら僕がどうにかしてあげます。兄さんだって親子ですから、今に機嫌の直ることがあるでしょう。お待ちまあせ。僕がどななことをしても養うて上げますから。