Classiques japonais avec furigana
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ぼたんどうろう ぼたんとうき
牡丹灯籠 牡丹灯記
田中 貢太郎
Lisez 牡丹灯籠 牡丹灯記 (ぼたんどうろう ぼたんとうき) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 676 caractères · 22 écrans
「旦那様は、真箇に薄情でございますのね」
喬生は金蓮の手を揮り放そうと悶掻いたが、どうしても放れなかった。
「そんなになさるものじゃありませんわ」
喬生はもう西側の廻廊の往き詰に伴れて往かれていた。
「さあ、お入りくださいまし、ここでございます」
喬生は室の中へ引き込まれた。真紅の色の鮮かな牡丹燈籠が微白く燃えていた。
「あなたは、妖道士に騙されて、私をお疑いになっておりますが、それはあんまりじゃありませんか、真箇にあなたは、薄情じゃありませんか」
麗卿が燈籠の下にしんなりと坐っていた。喬生はまた逃げようとした。
「真箇にあなたは薄情でございますわ、でもこうしてお眼にかかったからには、どんなことがあってもお帰ししませんわ」
女は起って来て喬生の手を握った。と、その前にあった棺桶の蓋が急に開いた。
「さあ、この中へお入りくださいまし」
女はその棺桶の中に先ず己の体を入れて、それから喬生を引き寄せた。棺桶は二人を内にしてそのまま閉じてしまった。
翌日になって喬生の隣の老人は、喬生が帰って来ないので、心配してあちらこちらと探してみたが、どうしても居所が判らない。