Classiques japonais avec furigana
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いちろうじん
犬田卯短編集二
犬田 卯
Lisez 犬田卯短編集二 (いちろうじん) de 犬田 卯 (いぬたしげる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 383 caractères · 103 écrans
そして遠方に身代を持っている関係上、親である当の半五郎が後見人として、こちらの家屋敷を管理している、という事情になっているのである。
「そこは人情でな、たとい厄介な奴がころげ込んで来ているとは思っても、爺様と相談づくでやるとか、いくらかの金を分けてやるとかすれば、あんなことにもならずに済んだんだっぺがな。」
「どうしてどうして、そんなことする半五郎なもんか、家の前の柿だってもぎらせまいと、始終見張っていたんだそうだから。」
「それに、芸者をしている娘っちのも、最近、旦那が出来て、どこか、浅草とかに囲われているんだちけど。」
「それじゃ、月々の十五円も問題だってわけかな、これからは。」
「まア、自然そうなっぺな。いくら旦那だって、これで毎月十五円ずつ、妾が送るのをいい顔して見てもいめえしな。」
「結局、金だな。金せえあれば、人間これ発狂もくそもあるもんか。金がねえから気がちがったり、自殺したりするんだよ。」
「ははははア……」と大笑いして、一座は、それから他の話題に移ってしまった。
三
村人殆んど総出で出征兵を送ったあと、また、親戚や近所の人達が集まって、「一杯」