Classiques japonais avec furigana
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こぶ
犬田卯短編集 一
犬田 卯
Lisez 犬田卯短編集 一 (こぶ) de 犬田 卯 (いぬたしげる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 48 259 caractères · 96 écrans
おいおい彼自身も村夫子にかえって野菜作りから麦小麦、やがて田起しまでやる覚悟だったのだ。
そこへ産業組合の事務をやっている石村藤作がひょっこりやって来た。この五十男は何の能もないが、別に暮しに困らない身分で「遊びかたがた」組合へ出ていると公言している至極暢気に出来上った人物である。
「やア、これはしたり、百姓のまねなんど止した方がよかっぺで」と彼はいきなり近くの木株へ腰を下ろして、煙管を出し、「いや、こないだは痛けえだったっちう話だっけな。どうしてどうして、田辺君のような若い勇士でなけりゃ出来ねえこった。」
「な、なんだい。……何を言ってるんだい。」
田辺はうすうす分ったが、わざとそんな風に笑って、種子を蒔きつづける。
「何を……って君、瘤の野郎をぐうの音も出させまいと凹ませたっち話よ。――いや、どうして、この村広しといえども、あの男の前へ出ては口ひとつきけるものいねえんだから、情けねえありさまよ。そこを君が、堂々と正眼に構えて太刀を合せたんだから……」
「つまらねえこというな。」
「つまらねえこと……馬鹿な、何がつまらねえことだ。俺ら聞いて、すうっと胸が風通しよくなったようだっけ、本当によ。