Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こぶ

犬田卯短編集 一

犬田 卯

Lisez 犬田卯短編集 一 (こぶ) de 犬田 卯 (いぬたしげる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 48 259 caractères · 96 écrans

Aozora Bunko

村中のものがほしがって、はア、金つん出して待っている者さえあるんだ。君にやらなくたっていくらでも売れるんだから――いい具合に君とここで逢ったもんだから、俺、話したばかりなんだ。」

塚屋は小さい算盤を再び懐中して、馴れた手つきでハンドルを握った。一刻を争う……といったような面持で、「それじゃ、まア、せっかくおかせぎ――」

四

田圃へかえると、由次が一人で泥上げをしていた。陽はいつか傾いてしまって、掘割を隔てた真向いの丘のかげが濃く沼岸の方へ伸びている。由次は鋤簾は重そうに投げ込み、肩に力を入れて掬うのであるが、思うように泥に喰いこまず、半分も泥は上らなかった。

「はア、泥無くなってしまって駄目だ」と由次は父親を見ると言訳のように呟いた。

「おっ母と、勝は?」浩平は無意識のように訊ねた。彼の頭の中は、今の今、塚屋とやって来た取引談のことで暴風のような状態だったのだ。――公定だなんて、野郎。あらかた倍でもきくめえ。あんなもの誰が、それでは――って買えるけえ。阿呆にも程度ちうものがあらア。――だが、一方ではそれを打ち消して、しかし、反七俵に廻ってくれるようだと、なアに、あれを買ったって損はねえ。