Classiques japonais avec furigana
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こぶ
犬田卯短編集 一
犬田 卯
Lisez 犬田卯短編集 一 (こぶ) de 犬田 卯 (いぬたしげる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 48 259 caractères · 96 écrans
そして学校へ行くの行かないのと愚図ついているおさよへ当りがけした。
「馬鹿、学校なんどどうでもいい、苗取りやるんだから田圃へ行かなくちゃしようねえ。」
浩平にはかまわず、おさよをせき立ててそのまま家を出た彼女は、今度はいよいよ夫がどうしてその肥料の金の工面をしたかに疑いを懐かざるを得なかった。――また母から借りたに相違ない。――そう口に出して言うと、彼女の足は我にもあらずそこへ釘づけになった。十五叺手に入れたとすれば、どんなことをしても百円は缺けまい。そんな大金がある筈はなかった。産組から来るつもりで用意した金が五十円位はあったが……その他には、子供らへやった小遣銭まではたいたとしても十円とはまとまらなかったであろう。――だから親父め、あんな薄とぼけた顔つきをしてやがるんだ。それに母も母だ。――おせきは胸くそが悪くなった。実の母だからそれが一層ひどかったのかも知れぬ。村人に立てられた夫と母との噂――それが依然として解けない謎であり、ますます深まる疑惑でさえあった。
「母を叩き出した。」全くそれはおせきの断行した、換言すれば実の娘の鬼畜の行為であったろうが、はやく夫に死別して、持って生れたその百姓女には珍らしい美貌――美貌もきいてあきれるが、とにかく人並以上の容貌であることは、当のおせきにも分っていた――がいわゆる