Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans

Aozora Bunko

「上京当時、金を持ってたらしいって、どうして判ったのかね?」

「いきなり上京はせずに、途中で京都や奈良や名古屋などで、泊って来たんだ。まあ昔の友人を訪ねたのか、物見遊山のつもりで下車したのか、それは知らないけれどね。とにかく金銭的には余裕があった筈だよ」

「定額の他に金をせびるというのは、その金が底を尽きかけた――」

「それは判らない」

幸太郎が金をせびりに来るようになったのは、半年ぐらい前からだ。せびると言っても、幸太郎は下から出るのではない。堂々と借りて行くのである。

「金を貸して呉れ」

とは言わない。

「金をいくらいくら貸せ」

栄介の都合のいい時は、その額を差出すが、都合のよくない時は断る。断っても、幸太郎は文句は言わないし、貸せない理由も聞かない。黙って戻って行く。また一週間もすると、同じ金額を借りに来る。結局借りられてしまうのだ。

「どうもおれは弱気なもんでね」

栄介は苦笑いをした。

「とうとう出してしまうんだ」

「東京で伯父さんの身寄りというのは、君だけなんだろう?」

「おれの弟も妹も東京にいる。しかしその代表として、おれだけだろうな」

「妹さんは結婚しているのかい?」