Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans
「部隊の中で、全然打ってない奴。その徴候も動機もない奴。これをマイナスの人間としましょう。そんなのを名簿から順々に消して行くと、プラスらしいのが何人か残る。そのプラスの中で、もっともその条件を具えた、疑いの濃厚なのが、城介君なんだね。矢木軍曹に絞り上げられるんだ。上層部ではすでに城介君に目星をつけていたらしい」
汽車は大同に到着。加納と城介たちはまた厚和の野戦病院に戻る。帰還要員の指名を受ける。
ある日衛生兵がオンドルの焚き口の中に、かなりの数量の空アンプルが捨てられているのを発見した。調べて見ると、全部パビナールである。早速部隊長に届け出た。
加納は医務室でそのことを知った。城介を捜し求めた。城介は宿舎に引っくり返って、慰問品の小説本を読んでいた。帰還要員なので、サボっていても、とがめる人はいないのである。
「矢木。パビナールを打っていたのは、やはりお前だったんだな」
加納はやや語気を荒くして言った。
「空アンプルが見付けられたぞ」
「そうか。オンドルの中のか」
城介は本を投げ捨て、ゆっくりと起き直った。すでに覚悟をきめた、捨て身の気配が感じられた。