Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans

Aozora Bunko

御用商人的落着きが、身のこなしに具わって来ていた。

「御苦労だったな」

幸太郎は栄介に言った。あれ以来、そっけないと言おうか、あるいはよそよそしい態度を、栄介に対して幸太郎は保持し続けている。そして幸太郎は母親に視線を移した。

「おフデさん。遺骨を拝見してよろしいか」

「それは栄介に聞いて下さい」

母親は言った。幸太郎は何か抵抗を覚えるような態度で、栄介を見た。

「いいでしょう。見たけりゃね」

眼がかさかさに乾いて行くような感じで、栄介は答えた。

「お母さん。おれは眠るよ。汽車でほとんど眠っていないんだ」

彼は納戸に入り、ばたんばたんと乱暴に床をのべ、布団の中にもぐり込んだ。実際に疲労で眼だけではなく、皮膚も乾いていて、横になるとじんじんと血が廻るのが判った。やがて眠りが来た。

夕方、がやがやした人声や釘を打つ音で、栄介は眼覚めた。起き出して庭に出ると、幸太郎の店の若い者たちが、門のあたりに三、四人動いていた。門柱から門柱へ横木を渡し『英霊の家』と書いた板を、それに打ちつけている。それだけでなく、門から前庭に通じる入口に『故陸軍衛生曹長矢木城介之霊』と記した木柱が立てられていた。