Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans

Aozora Bunko

「たいへんですな、奥さんも。福次郎君だけじゃなく、息子さんを二人も亡くされて――」

眉の太い住職は茶をすすめながら、そう言った。そして栄介に、

「何か相談ごとがあれば、いつでも言って来て下さい。もっとも寺に相談なんて、あまり縁起のいいことではあるまいが」

そう言って住職は笑った。

丘の中腹にある墓は、寺男の爺さんの手で、すっかり掃除されていた。骨壺はカラトに収められ、住職は墓前で四誓偈を誦んだ。城介に関する浮世の行事は、これで一応片がついた。

三箇月ほど経って、栄介は上京した。勤め先の関係もあり、いつまでもぶらぶらしているわけには行かなかったのだ。勤めに戻って一年余り過ぎ、今度は栄介に召集令状が来た。海軍からである。しかし栄介は別に衝撃は感じなかった。前の例があるので、即日帰郷の予感があったからだ。

「何だ。即日帰郷のつもりだったのか」

私はすこしあきれて言った。

「他人のことはくよくよするくせに、君は根は楽天的なんだな」

栄介が相談したいことがあると言うので、美術館の喫茶室で私たちは落合った。その時その話が出た。

「楽天的じゃないよ。陸軍で帰されただろう。