Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans
それじゃ兄貴、あんまりこのおれが可哀そうだとは思わないか」
衆議一決して、逃走することになった。当り屋のおやじが出前のために釜前から姿を消すのを待って、四人はゆっくりと立ち上った。店番の婆さんに顔をかくして障子をあけ、そっと道路の様子をうかがい、いきなり走り出した。店番の婆さんがびっくりして、しめ殺される鶏のような声を立てて、立ち上った。足袋はだしで土間へ飛び降り、四人の後を追って道に飛び出した。
婆さんなので耳も遠いし、眼もかすんでいるだろう。まして追っかけて来ることはあり得ない。と思ったのが、城介たちの誤算であった。婆さんはよたよた走りながら、大声でわめいた。
「こら、待て。こら、待てえ」
城介は背を丸めて走った。一番遅れて、うしろを見い見い走っていた。
「これはうるさいことになったぞ」
鈍足だったのは、背後が気になったせいでもある。先頭から順々に路地に曲り込んだ。彼も曲り込もうとして、婆さんを振り返ると、婆さんは溝板を踏み外して、片足を溝に突っ込み、前のめりに倒れていた。婆さんの絶叫がやんだのは、そのためであった。彼は曲り角で走りやめた。彼の気持は引き裂かれた。