Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans
中を真空にするためにこんなトゲが出来るのだと、栄介はいつか福次郎に教えられたことがある。そのために、頭にぶっつけないように、電球は必要以上に高く吊られていた。暗かったのはそのせいでもあった。
「お母さん。お母さん」
栄介は泣きじゃくりながら、子供心に、おれは今おやじを裏切りつつある、という風なことを、心の中でかすかに感じていた。福次郎は散乱した食器を前にして、一言も口をきかず、欝然としてコップ酒を傾けていた。その情景の記憶は、それで途切れる。
おそらくそのいさかいの原因は、他愛もないものだったのだろう。栄介はそう考える。結局母親は実家に戻らなかったからだ。戻ったとすれば、その記憶が残っていない筈がない。しかしその情景は、かなり長い間、彼の心に傷痕を残した。
(お母さんはおれよりも竜兄さんの方を可愛がっている。おれなんかはお母さんにあまり必要でないのだ)
父親への裏切りという罪悪感も、そこにあった。しかし今の栄介には、別のやり切れない疑問が、その情景に重なって来るのである。
その竜介は中学校を卒業して、上級学校の受験に再度失敗した。ぶらぶらしている中に、思想的に赤化した。