Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans
そしてついに福次郎は折れた。
「折れたと言うのは――」
私は訊ねた。
「つまり説伏されたということかね」
「そうだよ」
栄介はまぶしそうな眼で、またグラスを口に運んだ。疲労の色が、ありありと表情に出ている。
「その間学校側でも、当り屋といろいろ交渉していたんだな。婆さんの治療費や慰藉料を充分に払う。だから我慢して呉れと言うようなことをさ。当り屋としては、実質的には食逃げの損害だけで、婆さんの怪我も皆で袋だたきにしたわけじゃないし、追っかけ方が悪くて転んだんだからねえ」
「それに客商売という弱味もあるんだろう」
「もちろんそれもある」
栄介はうなずいた。
「学校側といざこざを起しちゃ、出前が取れなくなるおそれがある。当り屋としては、充分な金さえもらえればいいんで、どちらかというと、犠牲者を出したくなかったんだ」
「うどん屋の気持が、どうして判るんだね?」
「おれは中学を卒業して、一度当り屋に行ったことがある。もちろん文句をつけにじゃなく、うどんを食べるためだ。するとおやじが出て来て、あなたさんの兄さんにも御迷惑かけましたなあ、とあいさつをして、天ぷらうどんをタダで御馳走して呉れた。