Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans
「台湾かも知れないよ」
「でも台湾じゃ戦争をやっていない。どうしても北方だな」
コーヒーを飲み終えると、二人は外に出た。地図をたよりに歩き出した。彼が覚えているのは、その町筋の暗さである。下関市民は早寝をする習慣があるのか、寒いので戸をしめ切っているのか、おそらく後者だったのだろう。三十分ぐらいかかって、その民家を探し当てた。軒の低い家並の中で、その建物はぬっと夜空にそびえていた。
「どうもここらしい」
城介は足をとめた。
「入って聞いて来るから、ちょっと待ってて呉れ」
くぐり戸から城介は入った。栄介は道の真中に佇って、その建物を観察した。酒粕のにおいが、かすかにただよっている。彼の小学校の友達に造酒業の伜がいて、二、三度その家に遊びに行ったことがある。その家や塀の感じが、暗がりではっきりしないけれども、ここと共通したところがあった。
「ははあ。造り酒屋なんだな」
彼は思った。
「杜氏の寝る部屋にでも泊らせられるのか。寒いだろうな」
やがて城介が出て来た。元のままの服装である。
「十時迄にこの宿舎に入ればいいそうだ。それまで遊ぼう」
「そりゃよかったな」
城介は建物を見上げ、その形を確認した。