Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いのししのあじ

猪の味

北大路 魯山人

Lisez 猪の味 (いのししのあじ) de 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 083 caractères · 8 écrans

Aozora Bunko

かつて江州長浜へ鳥を食いに行った時、鳥屋の前にすばらしく大きな、まるで牛みたいな猪がぶら下がっていた。見るからに立派で美味そうに思われた。ものの大きさ、これにはよく素人がひっかかるのであるが、無理はない。みごとに大きな猪に魅せられて、いかにも美味そうに思ってしまったのである。遂にその猪を買うことにした。

食ってみると、ゴツイのなんの、肉があらっぽくコリコリしている。大味で、不味い。大失敗であった。ただし、脂肉はすこぶる美味かった。これに懲りて、それ以来、大きなものには手を出さぬことにしている。

東京で猪の仔を「当歳」と言い、上方で「ドンコ」と言うが、私も長ずるに及んで、その真実なることを経験的に学んだ。今の味覚から言っても、猪の肉を賞味する時は生後一年の仔猪にかぎる。もしくは二、三十貫の脂肉に富む猪が美味い。だから、今では大きな猪に手を出すことはまずない。

総じて、年を取ったものが不味いのは、なにも猪だけにかぎったことではない。牛でも鳥でもさかなでも同じである。だが、猪の場合は、少なくとも牛などとは、その意味が少し違う。犢はうまい。けれども、犢の味をふつうの牛の味と比較するのは無理である。