Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねことしょうぞうとふたりのおんな

猫と庄造と二人のおんな

谷崎 潤一郎

Lisez 猫と庄造と二人のおんな (ねことしょうぞうとふたりのおんな) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 68 020 caractères · 131 écrans

Aozora Bunko

と、今度は調子を和げて云い出した。

「そんなこと僕、覚えてエへん。」

「わてちゃんと数えててん。そのお皿の上に最初十三匹あってんけど、リリーが十匹食べてしもて、あんたが食べたのん三匹やないか。」

「それが悪かったのんかいな。」

「何で悪い云うこと、分ってなはんのんか。なあ、よう考えて御覧。わて猫みたいなもん相手にして焼餅焼くのんと違いまっせ。けど、鰺の二杯酢わては嫌いや云うのんに、僕好きやよってに拵えてほしい云いなはったやろ。そない云うといて、自分ちょっとも食べんとおいといてからに、猫にばっかり遣ってしもて、………」

彼女の云うのは、こうなのである。―――

阪神電車の沿線にある町々、西宮、蘆屋、魚崎、住吉あたりでは、地元の浜で獲れる鰺や鰯を、「鰺の取れ取れ」「鰯の取れ取れ」と呼びながら大概毎日売りに来る。「取れ取れ」とは「取りたて」と云う義で、値段は一杯十銭から十五銭ぐらい、それで三四人の家族のお数になるところから、よく売れると見えて一日に何人も来ることがある。が、鰺も鰯も夏の間は長さ一寸ぐらいのもので、秋口になるほど追い追い寸が伸びるのであるが、小さいうちは塩焼にもフライにも都合が悪いので、素焼きにして二杯酢に漬け、※莪を刻んだのをかけて、骨ごと食べるより仕方がない。