Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこまち

猫町 他十七篇

萩原 朔太郎

Lisez 猫町 他十七篇 (ねこまち) de 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 483 caractères · 58 écrans

Aozora Bunko

ウォーソン夫人の黒猫

ウォーソン夫人は頭脳もよく、相当に教育もある婦人であった。それで博士の良人が死んで以来、或る学術研究会の調査部に入り、図書の整理係として働らいていた。彼女は毎朝九時に出勤し、午後の四時に帰宅していた。多くの知識婦人に見る範疇として、彼女の容姿は瘠形で背が高く、少し黄色味のある皮膚をもった神経質の女であった。しかし別に健康には異状がなく、いつも明徹した理性で事務を整理し、晴れやかの精神でてきぱきと働らいていた。要するに彼女は、こうした職業における典型的の婦人であった。

或る朝彼女は、いつも通りの時間に出勤して、いつも通りの事務を取っていた。一通り仕事がすんだ後で、彼女はすっかり疲労を感じていた。事務室の時計を見ると、丁度四時五分を指しているので、彼女は卓上の書類を片づけ、そろそろ帰宅する準備を始めた。彼女は独身になってから、或る裏町の寂しい通りで、一間しかない部屋を借りていたので、余裕もなく装飾もない、ほんとに味気ない生活だった。いつでも彼女は、午後の帰宅の時間になると、その空漠とした部屋を考え、毎日毎日同じ位地に、変化もなく彼女の帰りを待ってる寝台や、窓の側に極りきってる古い書卓や、その上に載ってる退屈なインキ壺などを考え、言いようもなく味気なくなり、人生を憂鬱なものに感ずるのだった。