Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さるがしま
猿ヶ島
Lisez 猿ヶ島 (さるがしま) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 768 caractères · 12 écrans
「泣くのはやめろよ。どうにもならぬ。」彼は私の背をかるくたたきながら、ものうげに呟いた。「あの石塀の上に細長い木の札が立てられているだろう? おれたちには裏の薄汚く赤ちゃけた木目だけを見せているが、あのおもてには、なんと書かれてあるか。人間たちはそれを読むのだよ。耳の光るのが日本の猿だ、と書かれてあるのさ。いや、もしかしたら、もっとひどい侮辱が書かれてあるのかも知れないよ。」
私は聞きたくもなかった。彼の腕からのがれ、枯木のもとへ飛んで行った。のぼった。梢にしがみつき、島の全貌を見渡したのである。日はすでに高く上って、島のここかしこから白い靄がほやほやと立っていた。百匹もの猿は、青空の下でのどかに日向ぼっこして遊んでいた。私は、滝口の傍でじっとうずくまっている彼に声をかけた。
「みんな知らないのか。」
彼は私の顔を見ずに下から答えてよこした。
「知るものか。知っているのは、おそらく、おれと君とだけだよ。」
「なぜ逃げないのだ。」
「君は逃げるつもりか。」
「逃げる。」
青葉。砂利道。人の流れ。
「こわくないか。」
私はぐっと眼をつぶった。言っていけない言葉を彼は言ったのだ。