Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lisez 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 230 599 caractères · 458 écrans

Aozora Bunko

花はその一目一目が新鮮なのは、実に興味ふかいと思います、それだけ生きているのね、溢れる命があるのね。そういう生命の横溢には、きっと人間の視覚が一目のなかに見きってしまえないほど豊富なものがひそんでいるのね。こんな小さい桜草でさえ、やっぱりそういうところはあるのですもの。蕾がふくらみふくらんで花開く刹那、茎が顫えるのは、思えばいかにもさもあることです。蓮の花のひらく音をききに夏の朝霧の中にじっとしていた昔の日本人の趣味には、あながち消極な風流ばかりがあったのでもなかったかもしれません。花の叫びと思えば何と可憐でしょう、ねえ。花はいろいろに声をあげるのでしょうね。そのような花の叫びをきいたのは誰でしょう。

満開の白梅はよく匂っているでしょうか。今は寒中よ。花の匂いにつめたい匂いのないことも面白いこと。さむい花の香というものはどうもないようね。でもそれはそうなわけね、花はいのちの熱気でにおうのですもの。花のそよぎには確に心を恍惚とさせるものがあります。

ひろい庭が欲しいと思うのは、いく人も子供たちが遊びに来たときと、花々のことを思ったときです。自分が子供だったとき樹の間でかくれんぼしたり裏の藪へわけ入ったりしたあのときめきの心、勇気のあふれた心を思い出すと、子供たちのためにひろいいろんな隅々のある庭がほしいと