Classiques japonais avec furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lisez 生々流転 (しょうじょうるてん) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 297 521 caractères · 586 écrans
繁司は主に東京にいる関係もあり、大概の事はこの末弟に代理を頼みました。
「常司、頼むぜ」長兄が言うと、常司は「いやだ/\」と言ってながら、それでも世話を焼きました。羽織袴をつけて兄の代理に宴席の上座に坐っているのを料理店の窓横を通りがゝりに覗きますと、眉の濃いがっしりした眼鼻立ちの美男子ですが、彼はいつも立上って何か行動的な生活に自分をなずませて置きたいような青年でした。表面無口でも行動へ行動へと心がいつも急いでいるらしくありました。
土地の娘たちにはあまりに彼の性格が明確と行動に透き抜けるので、情緒の対象にはならないらしくあります。彼の親切は普遍で独占しにくいものに見えました。彼は月日と共にだん/\公式的な青年に見えて来る種類の人物のようです。彼が町のカフヱに出入りしても嫉妬する女たちは一人もないようです。カフヱ入りもやはり何かの役目を勤めるための行動生活の義務の一つだろうと女たちには感じられるものですから。彼は女子青年団の世話人もやっていました。彼女等は集団的に纏って常司を頼母しがっていました。皆が揃って常司に向っては何か張合いが出ました。そういう意味で常司は彼女等に人気がありました。