Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
せいしまんじどもえ
生死卍巴
国枝 史郎
Lisez 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 598 caractères · 182 écrans
いずれも導師が祈祷をしたり、読経を行なう所らしい。
その中の一棟の建物の床から、泉が湧き出して流れてい、その流れの岸の辺りに、黒い色の石が据えてあった。
が、もう一棟の建物の横には、三基の墳塋が立てられてあり、その前にも燈明が点されていた。
茅野雄には解っていなかったが、それらの建物や墳塋や泉や、黒石などは回教の本山、亜剌比亜のメッカに建てられている、礼拝堂に則って作られたものであった。
すなわち泉はザムであり、また黒石はアラオであり、墳塋は教主のマホメットと、その子と、弘教者のオメルとの墳塋で、回教の三尊の墳塋なのであった。
そういう建物や墳塋を蔽うて、洞窟の壁と天井とがあったが、壁の面にも天井にも、さまざまの彫刻が施こしてあり、いろいろの装飾が施こしてあった。
そういう洞窟の一所に立って、茅野雄と浪江とは神像を眺め、言葉もなく黙っているのであった。
幾人かの人間を切ったことなど、茅野雄の考えの中にはなかった。今にも覚明を初めとして、丹生川平の郷民達が、洞窟の扉を破壊して、ここへ無二無三に殺到して来て、自分達を討って取るだろうという、そういう不安さえ心になかった。