Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

Lisez 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 598 caractères · 182 écrans

Aozora Bunko

弦四郎は処置に当惑した。

しかしその時丘の背後から、今まで聞こえていた女達の悲鳴や、男達の喚き罵っていた声が、急にこなたへ近寄って来て、すぐに九人の荒くれた男が、若い女を一人ずつ抱いて、丘の陰から走り出て、こっちに走って来るのが見えた。

丹生川平の若者達で、女は小枝の侍女達であった。弦四郎が小枝を奪ったのを習って、一人ずつ侍女達を奪って来たのであった。

と、見て取った弦四郎は、しめた! とばかり心で想った。

「方々!」と、そこで大音に、若者達へけしかけるように云った。

「この武士を打ってお取りなされ、我ら小枝を奪ったのに対して、こ奴は邪魔立て致そうとしております! 我々の怨敵白河戸郷に、味方を致す人間と見えます! 女子どもを打ち捨ておかかりなされ!」

この言葉は、極めて効果的であった。

(白河戸郷に味方する奴なら、我らにとっては怨敵である! やれ! 逃がすな! 切り刻め!)と、云う感情を男達の心へ、一斉に理性なしに湧き起こさせたのであるから。

ワ――ッというような叫声が、九人の男から起こった時には、九人の若い侍女達が、地上へ抛り出された時であり、九本の刀が夏の日の光に、氷柱のように光った時であり、意外の出来事に驚いて、棒立ちに立った茅野雄の左右へ、男達の逼った時であった。