Classiques japonais avec furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lisez 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) de 田山 花袋 (たやまかたい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 097 caractères · 312 écrans
竹の台に来て、かれはまた三たびロハ台に腰をかけた。
眼下に横たわっている大都会、甍が甍に続いて、煙突からは黒いすさまじい煙があがっているのが見える。あちこちから起こる物音が一つになって、なんだかそれが大都会のすさまじい叫びのように思われる。ここに罪悪もあれば事業もある。功名もあれば富貴もある。飢餓もあれば絶望もある。新聞紙上に毎日のようにあらわれて来る三面事故のことなども胸にのぼった。
竹の台からおりると、前に広小路の雑踏がひろげられた。馬車鉄道があとからあとからいく台となく続いて行く。水撒夫がその中を平気で水をまいて行く。人力車が懸け声ではしって行く。
しばらくして、清三の姿は、その通りの小さい蕎麦屋に見られた。
「いらっしゃい!」
と若い婢の黄いろい声がした。
「ざる一つ!」
という声がつづいてした。
清三は夕日のさし込んで来る座敷の一隅で、誂えの来る間を、大きな男が大釜の蓋を取ったり閉てたりするのを見ていた。釜の蓋を取ると、湯気が白くぱッとあがった。長い竹の箸でかき回して、ザブザブと水で洗って、それをざるに手で盛った。「お待ち遠さま」と婢はそれを膳に載せて運んで来た。