Classiques japonais avec furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lisez 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) de 田山 花袋 (たやまかたい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 097 caractères · 312 écrans
また校長みずからも鼻を高くしてその地位に満足している。清三は熊谷で会う友だちと行田で語る人々と弥勒で顔を合わせる同僚とをくらべてみぬわけにはいかなかった。かれは今の境遇を考えて、理想が現実に触れてしだいに崩れていく一種のさびしさとわびしさとを痛切に感じた。
ある日曜日の午前に、かれは小畑と桜井とつれだって、中学校に行ってみた。中学校は町のはずれにあった。二階造りの大きな建物で、木馬と金棒と鞦韆とがあった。運動場には小倉の詰襟の洋服を着た寄宿舎にいる生徒がところどころにちらほら歩いているばかり、どの教室もしんとしていた。湯呑所には例のむずかしい顔をした、かれらが「般若」という綽名を奉った小使がいた。舎監のネイ将軍もいた。当直番に当たった数学の教師もいた。二階の階段、長い廊下、教室の黒板、硝子窓から梢だけ見える梧桐、一つとして追懐の伴わないものはなかった。かれらはその時分のことを語りながらあっちこっちと歩いた。
当直室で一時間ほど話した。同級生のことを聞かれるままその知れる限りを三人は話した。東京に出たものが十人、国に残っているものが十五人、小学校教師になったものが八人、ほかの五人は不明であった。