Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

がぼう

画舫

豊島 与志雄

Lisez 画舫 (がぼう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 863 caractères · 22 écrans

Aozora Bunko

水浅く濁って、ただ水田の広いのに過ぎないこの西湖が、如何に三潭印月や湖心亭の影を宿そうとも、また、煙雨の中に模糊たる愁思を漂わそうとも、また、数々の名跡を周辺に鏤めようとも、畢竟は、湖底は寺院の香の灰に蔽われてるという巷説を、否定できるものではない。それは人を眠らせはしよう、人を憩わせはしよう。然し人を錬え生かすものとはならない。寺院と墓地と別荘と病院とが、更に更に殖えるもよかろう。私は別れを告げるのだ。

それにしても、私の心のこの愁いは何故であろうか。あの初陽台に登ったのも、訣別の意を固めるためではなかったか。あの人にあすこで出逢って、固より前から知ってる人ではあったけれど、心の出会をしたのは、私の不覚であったのだろうか。いやそれとも、ただ一途あるのみの最後の関頭へ私を逐いつめるための宿命であったとすれば、私はそれを欣んで受け容れよう。それこそ勇気ある者の面子の問題だ。真の面子を重んずる者にとっては、没法子という言葉は存在しない筈だ。

あの人は私の心の故里となるだろう。西湖は私の肉体の故里となるだろう。美しい故里を持つことを私の慰安としよう。前途に未知の荒波を持つことを私の勇気としよう。