Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちくけんだん
畜犬談
Lisez 畜犬談 (ちくけんだん) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 173 caractères · 24 écrans
練兵場をぐるりと一廻りして、私はやはり犬に慕われながら帰途についた。家へ帰りつくまでには、背後の犬もどこかへ雲散霧消しているのが、これまでの、しきたりであったのだが、その日に限って、ひどく執拗で馴れ馴れしいのが一匹いた。真黒の、見るかげもない小犬である。ずいぶん小さい。胴の長さ五寸の感じである。けれども、小さいからといって油断はできない。歯は、すでにちゃんと生えそろっているはずである。噛まれたら病院に三、七、二十一日間通わなければならぬ。それにこのような幼少なものには常識がないから、したがって気まぐれである。いっそう用心をしなければならぬ。小犬は後になり、さきになり、私の顔を振り仰ぎ、よたよた走って、とうとう私の家の玄関まで、ついてきた。
「おい。へんなものが、ついてきたよ」
「おや、可愛い」
「可愛いもんか。追っ払ってくれ、手荒くすると喰いつくぜ、お菓子でもやって」
れいの軟弱外交である。小犬は、たちまち私の内心畏怖の情を見抜き、それにつけこみ、ずうずうしくもそれから、ずるずる私の家に住みこんでしまった。そうしてこの犬は、三月、四月、五月、六、七、八、そろそろ秋風吹きはじめてきた現在にいたるまで、私の家にいるのである。