Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lisez 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 179 399 caractères · 353 écrans

Aozora Bunko

て、半期々々のボーナスを加えれば、平均月に四百円になりました。だから普通に暮らすのなら二人で楽な訳であるのに、それがどうしても足りませんでした。細かいことを云うようですが、先ず月々の生活費が、いくら内輪に見積っても二百五十円以上、場合によっては三百円もかかります。このうち家賃が三十五円、―――これは二十円だったのが四年間に十五円上がりました。―――それから瓦斯代、電燈代、水道代、薪炭代、西洋洗濯代等の諸雑費を差し引き、残りの二百円内外から二百三四十円と云うものを、何に使ってしまうかと云うと、その大部分は喰い物でした。

それもその筈で、子供の頃には一品料理のビフテキで満足していたナオミでしたが、いつの間にやらだんだん口が奢って来て、三度の食事の度毎に「何がたべたい」「彼がたべたい」と、歳に似合わぬ贅沢を云います。おまけにそれも材料を仕入れて、自分で料理するなどと云う面倒臭いことは嫌いなので、大概近所の料理屋へ注文します。

「あーあ、何か旨い物がたべたいなア」

と、退屈するとナオミの云い草はきっとそれでした。そして以前は洋食ばかり好きでしたけれど、この頃ではそうでもなく、三度に一度は「何屋のお椀がたべて見たい」