Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Lisez 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 179 399 caractères · 353 écrans
と叫びながら、面白そうに脚で私の腹を締めつけ、手綱をグイグイとしごきます。私は彼女に潰されまいと一生懸命に力み返って、汗を掻き掻き部屋を廻ります。そして彼女は、私がへたばってしまうまではそのいたずらを止めないのでした。
「譲治さん、今年の夏は久振りで鎌倉へ行かない?」
八月になると、彼女は云いました。
「あたし、あれッきり行かないんだから行って見たいわ」
「成る程、そう云えばあれッきりだったかね」
「そうよ、だから今年は鎌倉にしましょうよ、あたしたちの記念の土地じゃないの」
ナオミのこの言葉は、どんなに私を喜ばしたことでしょう。ナオミの云う通り、私たちが新婚旅行?―――まあ云って見れば新婚旅行に出かけたのは鎌倉でした。鎌倉ぐらいわれわれに取って記念になる土地はない筈でした。あれから後も毎年何処かへ避暑に行きながら、すっかり鎌倉を忘れていたのに、ナオミがそれを云い出してくれたのは、全く素晴らしい思いつきでした。
「行こう、是非行こう!」
私はそう云って、一も二もなく賛成しました。
相談が極まるとそこそこに、会社の方は十日間の休暇を貰い、大森の家に戸じまりをして、月の初めに二人は鎌倉へ出かけました。