Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Lisez 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 179 399 caractères · 353 écrans
「それはよほど前からなんです。多分あなたが僕を御存じにならない時分、………」
「じゃ、いつだったか君に始めて会ったことがありましたっけね、―――あれは去年の秋だったでしょう、僕が会社から帰って来ると、花壇のところで君がナオミと立ち話をしていたのは?」
「ええ、そうでした、かれこれちょうど一年になります。―――」
「すると、もうあの時分から?―――」
「いや、あれよりもっと前からでした。僕は去年の三月からピアノを習いに、杉崎女史の所へ通い出したんですが、あすこで始めてナオミさんを知ったんです。それから間もなく、何でも三月ぐらい立ってから、―――」
「その時分は何処で逢ってたんです?」
「やっぱり此処の、大森のお宅でした。午前中はナオミさんは何処へも稽古に行かないし、独りで淋しくって仕様がないから遊びに来てくれと云われたんで、最初はそのつもりで訪ねて来たんです」
「ふん、じゃ、ナオミの方から遊びに来いと云ったんですね?」
「ええ、そうでした。それに僕はあなたと云うものがあることを、全く知りませんでした。自分の国は田舎の方だものだから、大森の親類へ来ているので、あなたと従兄妹同士の間柄だと、ナオミさんは云っていました。