Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
らい
癩
島木 健作
Lisez 癩 (らい) de 島木 健作 (しまきけんさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 753 caractères · 74 écrans
運動に出はじめて間もなくのある日のこと、太田はその監房の前を通りしなに何気なく中を覗いてみた。光線の関係で戸外の明るい時には、外から監房内は見えにくいのであった。ずっと戸の近くまですりよって房内を見た時に、思いもかけず寝台のすぐ端に坊主頭がきちんと坐ってじっとこちらを見ている眼に出っくわし、彼は思わずあッといってとびしさった。
次の日彼が運動から帰って来た時には、その男は戸の前に立っていて、彼が通るのを見ると丁寧に頭を下げて挨拶をしたのであった。その時太田ははじめてその男の全貌を見たのである。まだ二十代の若い男らしかった。太田はかつて何かの本で読んだ記憶のある、この病気の一つの特徴ともいうべき獅子面という顔の型を、その男の顔に始めてまざまざと見たのであった。眼も鼻も口も、すべての顔の道具立てが極端に大きくてしかも平べったく、人間のものとは思われないような感じを与えるのである。気の毒なことにはその上に両方の瞼がもう逆転しかけていて、瞼の内側の赤い肉の色が半ば外から覗かれるのであった。
太田が監房に帰ってしばらくすると、コトコトと壁を叩く音が聞え、やがて戸口に立って話しかけるその男の声がきこえて来た。