Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しらねのふもと
白峰の麓
大下 藤次郎
Lisez 白峰の麓 (しらねのふもと) de 大下 藤次郎 (おおしたとうじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 238 caractères · 45 écrans
早川はあっても魚は少い。このように村は貧しいが、また天恵もないではない。湯島の温泉から年々いくらかの税金も取れる、早川から冬は砂金が採れる。交通が不便のお蔭に物入りもなく、貧しいながらも困っているものは一人もないという。この兄弟も、銘々懐中時計を持っている。宗忠の家にも大きなボンボン時計があった。
このように、碌なものは食わないが、それでも皆丈夫で、医者は一人もいないが病人もない。奈良田でも湯島でも、徴兵検査に不合格は殆どないと誇っている。
牛を知らぬ、馬を知らぬ、人力車、馬車、自動車、汽車、電車、そんなものは見たことがない、車というのは水車のことで、小舟さえないから、汽船も軍艦も画で想像するばかり、もちろん白峰の頂上へでもゆかなければ海も見えない。東京を西に距ること僅かに三十里、今もなお昔のままの里はあるのだ。
十五
話に実が入って夜は十一時になった。便所はときくと、この小屋の渓に向った方に板がある。その上からという。「蝋マッチ」をてらして辛うじて板の上へ出たが、絶壁にも比すべきところに、突き出された二本の丸太、その上に無造作に置かれた一枚の薄板、尾瀬沼のそれにも増した奇抜な便所に、私は二の足を踏まざるを得なかった。