Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しろあり
白蟻
小栗 虫太郎
Lisez 白蟻 (しろあり) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 54 099 caractères · 106 écrans
それには、刺すような鋭さはあったが、何の意味で、そのように不可解な言葉を吐くのか、まったく煙に巻くような不可思議なものがあった。しかし、美しい斑のある片側も、しだいに毛が燃えすれてきて、しばらく経つと、皮の間から熱い肉汁が滴りだし、まったくその裏側と異らないものになってしまった。すると、なお訝しいことには、その後の時江は、別人のように変ってしまって、十四郎がしぶとくその側にのみ、刃を入れても、いっこう眼をくれようともせずケロリとしていて、ついぞいま自分が云った言葉を、忘れ去ってしまったようにみえた。けれども、その不思議な変転も、ついにその場限りの、精神的な狂いとだけでは、すまされなくなってしまった。なぜならそこには、滝人の神経が魔法の風のように働きかけていたからである。
はたして、それから一時間ほど後になると、寝入った稚市をそっとしておいて、滝人は時江の部屋を訪れた。その部屋は、十四郎夫婦の居間のある棟とは別になっているが、一方の端が、共通した蚕室になって繋がっているために、外見は一つのもののように見えた。そして、その方の棟には、くらと時江が一つの寝間に、喜惣は涼しい場所とばかりから、牛小屋に接した、破れ羽目のかたわらで眠るのが常であった。