Classiques japonais avec furigana
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ひゃくしょうやのすけのはなし
百姓弥之助の話
中里 介山
Lisez 百姓弥之助の話 (ひゃくしょうやのすけのはなし) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 621 caractères · 99 écrans
天に代りて不義を討つ
忠勇無双の我が兵は
歓呼の声に送られて
今ぞいで立つ父母の国
…………
続いて笹付の青竹に旗幟の幾流が続々と繰り出されて来る、村から停車場へと行くこの道は、早くも蜿蜒たる行列が曳き栄えられて来た。
百姓弥之助は、その光景をじっと見て吾に返った。
「また、きょうも出征者だな、家の若い者は誰か見送りに出たかな」
と思いながら、立ちつくしていると、聞くとはなしに軍歌の声が耳に流れ込む、そのうちに彼はなんとなしに自分が幼少時代に見慣れたお葬式の行列のことを思い出した。今から四十年ばかり昔の事だから、もうこの村でもああいった葬式のやり方は廃れてしまっているだろうが、弥之助は思わずその昔の風俗を思い出したのである。
二
この辺の寺は大抵禅宗寺になっている。本村に三つ寺があるが、何れも禅宗で、妙心派と建長寺派とに分れている。弥之助の子供の時分にはこの妙心派のお寺が近い隣地にあったものだからよくお葬式の行列を見たり、また納棺最後まで態々見届けに行った覚えがある。その時分は火葬ということは無かったから、みんな土葬で棺は三尺程高い箱棺で、それに蓮台と天蓋とはお寺に備えつけのものを借りて来て、天蓋には白紙を張り、それに銀紙で卍をきざんで張りつけ、蓮台は白木のままの古びた極くお粗末なものであった、そうして