Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かみだな

神棚

豊島 与志雄

Lisez 神棚 (かみだな) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 427 caractères · 44 écrans

Aozora Bunko

「今君の家へ行った所だぜ。」と池部が云った。

「そうか。」と俺は答えた。

「丁度よくぶつかってよかった。だが、いくら呼んでも返辞をしねえなあ酷えよ。」

「そうだったのか。」と俺は云った。

「一体朝から何処を歩き廻ってたんだ。」

「何処って当はねえから、ただ歩いてたんだ。」

「ただ歩くって奴があるもんか。」

「歩きでもしなけりゃ仕方ねえからな。」

「そいつあ面白えや。」と谷山は云って、往来の真中で笑い出した。

大きな図体を揺ってせり上ぐるその笑い声を聞くと、俺は愉快になってきた。

「どっかで一杯やらねえか。」と俺は云い出した。「ただ俺は一文もねえが、君達少しは持ってるだろう。」

「うむ、よかろう。」

そして三人で、近くの小さな酒場にはいっていった。

池部は妙に俺の方をじろじろ窺っていた。俺は一寸気に障った。その俺の顔色を察してか、彼はこう尋ねかけてきた。

「君、金の工面はついたのか。」

「つかねえよ。」

「じゃあ一体どうするつもりだい。」

「どうもこうもねえさ。正月は向うからやってくらあね。」

その時突然に谷山が、本当に困るならどうにかしてやろうと云い出した。沢山は出来ないが四五十のことなら何とかなるかも知れないと……。