Classiques japonais avec furigana
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じんじゃごうしにかんするいけん
神社合祀に関する意見
南方 熊楠
Lisez 神社合祀に関する意見 (じんじゃごうしにかんするいけん) de 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 32 819 caractères · 64 écrans
し行くこそ無残なれ。
これより予は一汎に著われたる合祀の悪結果を、ほぼ分項して記さんに、
第一、神社合祀で敬神思想を高めたりとは、政府当局が地方官公吏の書上に瞞されおるの至りなり。電車鉄道の便利なく、人力車すら多く通ぜざる紀州鄙地の山岳重畳、平沙渺茫たる処にありては、到底遠路の神社に詣づること成らず。故に古来最寄りの地点に神明を勧請し、社を建て、産土神として朝夕参り、朔望には、必ず村中ことごとく参り、もって神恩を謝し、聖徳を仰ぐ。『菅原伝授鑑』という戯曲三段目に、白太夫なる百姓老爺が七十の賀に、三人のが集い来て料理を調うる間に、七十二銅と嫁に貰える三本の扇を持ち、末広の子供の生い先、氏神へ頼んだり見せたりせんとて、いまだその社を知らざる一人の※(「女+息」、第4水準2-5-70)を伴い参詣するところあり。田舎には合祀前どの地にも、かかる質樸にして和気靄々たる良風俗あり。平生農桑で多忙なるも、祭日ごとに嫁も里へ帰りて老父を省し、婆は三升樽を携えて孫を抱きに※(「女+息」、第4水準2-5-70)の在所へ往きしなり。かの小窮窟な西洋の礼拝堂に貴族富豪のみ車を駆せて説教を聞くに、無数の貧人は道側に黒麪包を咬んで身の不運を嘆つと霄壌なり。