Classiques japonais avec furigana
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わたくしたちのけんせつ
私たちの建設
宮本 百合子
Lisez 私たちの建設 (わたくしたちのけんせつ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 54 430 caractères · 107 écrans
今日民法における女子の不平等な地位を改善したいという激しい要求が現われているのは、全く自然なことであると思う。何年か前穂積重遠博士が民法改正委員会を組織して、『民法読本』という本も著し、民法における婦人の地位の改善のための努力を試みたが、明治以来の保守的な日本の支配権力は、この委員会の仕事を、蝸牛の這うようなテンポで引っぱった。
第二次大戦の間に民法における私生子の区別が撤廃された。なぜ沢山矛盾を持った民法の中で、特にこの条項だけがその忙しい時期に取上げられたのであろうか。私たちの常識は、一考して深く頷くところがある。日本の家族制度、財産の相続を眼目にした親子関係の見方においては、嫡出子と庶子、私生子の区別は非常に厳重で、生まれた子供は天下の子供であるという人間らしい自由さを欠いている。けれども、戦争が進行して総ての若者を動員し、彼等の命を犠牲として要求した時に、権力は相続者としての子供を奪われる点を考える親の思惑を憚って嫡出子と私生子の区別をかたくしては不便至極となった。又私生子が民法的の区別のために、彼等の少年時代から受けて来た暗黙の苦痛、その苦痛から出発している社会の不合理に対する洞察力というものを、権力の命のままに生命をすてさせるについて一種の精神的抵抗と感じた。