Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わたしのあったゴーリキイ
私の会ったゴーリキイ
宮本 百合子
Lisez 私の会ったゴーリキイ (わたしのあったゴーリキイ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 457 caractères · 11 écrans
「ふーン、あれか」
というような意味の言葉をいい、それだけで決定的な評価が感じられるようないい方をした。決して個人的な軽蔑をしめしているのではないが、ながい階級的な文学的な訓練によって鍛えられた一箇の大きい人格がはっきりこの世の中に現われてくる才能の大きさ、誠実さを洞察している明徹な力をその言葉に感じたのであった。
なお日本の話が出て、ゴーリキイは私に、日本では婦人が自由に本を出版することが出来るのかときいた。私はそれは出来ると答えて、なぜそのことを訊ねたかということを逆に問い返した。
ゴーリキイは、ムッソリーニは婦人に出版権を与えていない。婦人の作家たちはイタリーで本を出す時、夫或いは父親、その他の法律上の親権者に許可を求めてやっと本を出すということを説明し、「かの女らは美しいイタリーの空の下で、そういう生活をしている」といった。
私が会って話した時間はたかだか一時間に充たず、それはゴーリキイの生涯にとって或いは殆ど間もなく忘れられたような瞬間であり、私の一生にとっても時間的にはまことに短い一刻であった。しかし、彼の風貌が直接私にあたえた深い信頼の感じ、さまざまな歴史の断面をつねに変らぬ努力と誠実さとをもって生きぬいて今日に至っている一箇の人間的チャムピオンの感銘は、終生私の心から消えることがないであろ