Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しほんたいへいき

私本太平記(三)

吉川 英治

Lisez 私本太平記(三) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 222 108 caractères · 446 écrans

Aozora Bunko

雪解の道がひどい。

馬の背は、岡下がりに、いつか町へ出て、丸太橋も越えている。ぬかるみの人わめきやら雪光りなど、戦後の巷は、まだあらかたが、まばゆい騎馬の人やら兵の色調に占められていた。

すると、とある辻で、

「おおい、すね法師、吉田の兼好、どこへ行かるる」

と呼ぶらしい声が、どこかでしていた。

「おや、誰なのか」

兼好は馬の背から振りむいた。

そして。大勢の供を道ばたにのこして、一人こっちの方へ近づいて来る騎馬の武将を見いだすと、

「オ、六角殿でしたか」

と、兼好の顔には、旧知の人に会ったとするなつかしみよりは、すぐ地獄で仏と、すがりたいようなものが正直に出てしまった。

六角時信といえば、昨今、市中で羽ぶりのいい篝屋奉行(警視の職)のひとりである。――近江源氏の佐々木一族で、この秋の叡山攻めでも、とにかく湖畔の戦いでは勇名を売っていた。――で、兼好が、

「いや、よい所で」

と、たてつづけに、身の災難を訴えたのは、彼としては唐突でもなし、まの悪いことでもなかった。

ところが時信は、日ごろのすね法師が、今日はかぶとを脱いで、泣き言を言い抜くわいと、滑稽に感じたのか、あるいは軍は軍に同調するたてまえで、長崎四郎左衛門ノ尉の部下をはばかっての表現か、