Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しほんたいへいき

私本太平記(四)

吉川 英治

Lisez 私本太平記(四) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 229 324 caractères · 458 écrans

Aozora Bunko

「――大事はこれから」としている風だ。

はたして、青い月の波間に、やがて視線をひいた物がある。速舟の上に盛られている人影はみな弓や長柄をとって惣立ちになった様子である。だが小三郎だけは、船艙の底に身をうずめている帝や妃たちを驚かすまいためにか、いつまでもその唇もとをむすんでいた。

「……あ。火縄を振って合図をしている」

どこかで誰かのほっとしたような声があがる。声はすぐ潮風に飛んでゆく。

「岩松の党だ」

小三郎も言って腰をあげた。

相互から近づきあうまで、彼方の火合図はつづけられていた。それはこちらの速舟よりはやや大型な五そうの舟群で、この地方では見ない、むしろ熊野舟の型に近いものだった。

「岩松か」

小三郎が呼びかける。

潮の中からは、

「去年、国分寺の御配所へまかりました岩松経家の舎弟吉致です。お迎えにまいりました」

という答え。

「おおお待ちかねだ。吉致一人だけ、こなたへお移りなされ」

と、小三郎はすぐたぐり綱を投げさせた。

親船へ移って来た岩松吉致は、すぐ艫の船頭小屋にみちびかれて、侍者の千種忠顕と一条行房に会っていた。

その吉致からの、或る報告を聞きおわると、