Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しほんたいへいき

私本太平記(四)

吉川 英治

Lisez 私本太平記(四) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 229 324 caractères · 458 écrans

Aozora Bunko

いざ兄上、あの焔を、吉運の門篝と見て」

「不知哉丸は」

「お案じなされますな。斯波高経の郎党百人ほどが守って、もう先の八橋ノ宿まで行っておりまする」

一とき、高氏は何もいわなかった。師直、直義らに打ちかこまれてやがて馬上の人となった。

いまは下剋上の世風だと彼はいった。幾多の例を、日ごろの世上や他家に見聞きしていたからだが、ひとごとではない、地方の小分党の上に立つ足利家も、時勢の外の組織ではなかったのだ。よくよく心して衆の荒駒に乗る覚悟でなくば、天下の事を成すなどは、夢の夢でしかありえまい。そのことを高氏は、よほどきもに銘じたようだった。

高氏は黙々と、前途へ馬をいそがせた。つづく全軍もくろぐろと流れ出す。が、直義はなお殿軍して、あくる朝、仁木、畠山が目的をはたしたのを見とどけてから先の本軍を追っかけた。

本軍の高氏軍は、鳴海で野営したが、未明にはもうそこを立って、兵馬の朝糧は熱田に着いてとらせている。

直義はここで追いついた。

矢作の後始末を、ざっと、兄へ報じて、

「使者鏖殺の変が、鎌倉へ知れるまでには、なお数日のまがありましょう。よしまた、ご謀反が公になったところで、ここには精鋭四千騎が、殿を上にいただいて、火の玉の意気を張りつめていること。