Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しほんたいへいき

私本太平記(四)

吉川 英治

Lisez 私本太平記(四) (しほんたいへいき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 229 324 caractères · 458 écrans

Aozora Bunko

――もう局部的な小策で鎮めえられる段階では決してない。「今にして、大英断をくだし給わずば……」というのが、六波羅早馬の、声々だった。

だが、道誉には、それすら甘い観方とおもわれたほどである。

彼は、この六月、愛知川の宿で、生前の北畠具行から、もっと多くの“宮方連判”の名をきいていた。――それを思い、これを思い合せれば、

「鎌倉は累卵の危うさ」

と、ひそかに、自分の居る位置も、そっと、見まわさずにいられない。

しかも、高時という驕児は、噴火山上に、昼の手枕だ。

道誉は、にっと、冷ややかな笑みをふくんで、彼を見ていた。高時の明日の運命が、彼には、見えていたからである。

「道誉! 何を笑う」

ふと、彼はきもを冷やした。高時が言ったのだ。高時はいつのまにか、薄目をあいて、いたずらッぽく、逆に道誉の顔を見ていたのだった。

道誉はドキとした。

この暗愚な太守、油断はできない、と思いながら、

「や、お目ざめで」

と、畏んでみせた。

高時は、起きて、大欠伸を一ツした。すぐ湯殿へ入る。お湯浴み、お召換え、つづいて、浜座敷での御一献と、女房たちが、もう配膳にかかり出す。

「……夕になったら」