Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あきのしゅぜんじ
秋の修善寺
岡本 綺堂
Lisez 秋の修善寺 (あきのしゅぜんじ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 167 caractères · 11 écrans
降りてしまったら汗が流れた。
山を降りると田甫路で、田の畔には葉鶏頭の真紅なのが眼に立った。もとの路を還らずに、人家のつづく方を北にゆくと、桜ヶ岡の麓を過ぎて、いつの間にか向う岸へまわったとみえて、図らずも頼家の墓の前に出た。きのう来て、今日もまた偶然に来た。おのずからなる因縁浅からぬように思われて、再び墓に香をささげた。
頼家の墓所は単に塔の峯の麓とのみ記憶していたが、今また聞けば、ここを指月ヶ岡というそうである。頼家が討たれた後に、母の尼が来り弔って、空ゆく月を打仰ぎつつ「月は変らぬものを、変り果てたるは我子の上よ」と月を指さして泣いたので、人々も同じ涙にくれ、爾来ここを呼んで指月ヶ岡ということになったとか。蕭条たる寒村の秋のゆうべ、不幸なる我子の墓前に立って、一代の女将軍が月下に泣いた姿を想いやると、これもまた画くべく歌うべき悲劇であるように思われた。彼女がかくまでに涙を呑んで経営した覇業も、源氏より北条に移って、北条もまた亡びた。これにくらべると、秀頼と相抱いて城とともにほろびた淀君の方が、人の母としてはかえって幸であったかも知れない。
帰り路に虎渓橋の上でカーキ色の軍服を着た廃兵に逢った。