Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あきのきはく

秋の気魄

豊島 与志雄

Lisez 秋の気魄 (あきのきはく) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 399 caractères · 5 écrans

Aozora Bunko

静まり返り澄み返ってる剥脱の世界に、まざまざと現出せらるる明暗の区劃は、じかに人の心に迫ってきて、真裸な心のうちにも、くっきりとした光と影とが投げられる。そして人は知らず識らずに、自分の心を凝視する専念のうちにはいってゆく。純なるもの、不純なるもの、澄んでるもの、濁ってるもの、それらがきっぱりと形を現わしてくる。

斯かる赤裸な凝視の眼は、それ自身の性質上、未来に向けられないで、ただあるがままの自分自身――過去を荷ってる現在の姿にのみ向けられる。そして自然も人も、秋の世界全体が、自分の赤裸な姿を見守る専念のうちに沈黙する。

この専念の沈黙、それを堪えることが出来、それを真に味感することが出来る者にとってのみ、秋は淋しくも佗しくもない。其処にはただ、清浄なる瞑想のみがある。遠い地平線の彼方へまでさ迷い出る魂が、そのままの憧れを懐いて胸の中に戻ってくる。そして健かな清い感激が、あらゆる雑念を吹き払って、自己の存在感――じかに胎にこたえる存在感――を強調する。

こういう意味に於てのみ、秋は讃美すべきである。そして、修道院の祈願を思わせるような爽快な夜明と、霊的な恋愛を思わせるような月明の夜とは、何等の卑俗な気分にも濁らさるることなく、そのまま人の心に受け容れられる。