Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あきふかき

秋深き

織田 作之助

Lisez 秋深き (あきふかき) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 176 caractères · 27 écrans

Aozora Bunko

「まあ、肝油や思て飲みなはれ。毒みたいなもんはいってまへんよって、安心して飲みなはれ。けっ、けっ、けっ」

男は顔じゅう皺だらけに笑った。

私はその邪気のなさそうな顔を見て、なるほど毒なぞはいっているまいと思った。

そして、眼を閉じて、ぷんと異様な臭いのする盃を唇へもって行き、一息にぐっと流し込んだ。急にふらふらっと眩暈がした咄嗟に、こんな夫婦と隣り合ったとは、なんという因果なことだろうという気持が、情けなく胸へ落ちた。

翌朝、夫婦はその温泉を発った。私は駅まで送って行った。

「へえ、へえ、もう、これぐらい滞在なすったら、ずっと効目はござりやんす」

駅のプラットホームで客引きが男に言っていた。子供のことを言っているのだな、と私は思った。

「そやろか」

男は眼鏡を突きあげながら、言った。そして、売店で買物をしていた女の方に向って、

「糸枝!」

と、名をよんだ。

「はい」

女が来ると、

「もう直き、汽車が来るよって、いまのうち挨拶させて貰い」

「はい」

女はいきなりショールをとって、長ったらしい挨拶を私にした。終ると、男も同じように、糞丁寧な挨拶をした。

私はなにか夫婦の営みの根強さというものをふと感じた。