Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんのしゅっぱつ
秦の出発
豊島 与志雄
Lisez 秦の出発 (しんのしゅっぱつ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 532 caractères · 29 écrans
廊下に出ると私は尋ねた。
「何だい、あの男は。」
「知ってるだろう、周釣さ。」
周釣といえば、多方面に知られてる社交家で、本業は貿易商だという触れこみだった。然し、秦たち少数の者の間には、大体その本性が推察されていたのである。――周は全く各方面に知人が多く、それがまた多岐に亘っていて、政治的に、日本側とも、南京政府側とも、重慶政府側とも、延安政府側とも、また欧洲各国側とも、連絡があるようだった。彼の手を通じて、欧洲某中立国の国籍がその領事館から売られたという話もある。もっとも斯かる政治的関係は、多くは曖昧模糊たることを常とする。ただ確実なのは、某氏は何派だという政治的な符牒を、さも重大事らしく囁きふらしてることである。この囁きを以て、彼は相手の情誼と信頼とをかち得るつもりでいたらしい。
周釣に限らず、そういう種類の男が沢山うろついていた。そして彼等相互の間では、ひそかに嫉視反目している。
「上海の性格の一面だね。」と秦は吐きだすように言った。
その忌々しい気持をまぎらすためか、秦は室に戻るとドライ・ジンの一瓶を取り出して、小さなグラスで飲んだ。
その機会に、私は柳丹永の「血の色見ゆ」