Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんのゆうしゅう
秦の憂愁
豊島 与志雄
Lisez 秦の憂愁 (しんのゆうしゅう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 389 caractères · 19 écrans
こわい毛の長髪、澄んだ深い眼差し、中国人にしては珍らしい秀でた鼻筋……。だが、頬の皮膚になんだか血色のうすい荒みが漂っている。黒い洋服はきっかり体躯についた仕立て方で、襟の折返しの工合か肩の袖付の工合か、それとも淡色の編みネクタイの影響か、へんに伊達好みな気味がある。その頬とのちぐはぐな印象に、星野はなにか冷りとしたものを感じた。
「食事は……。」と秦は尋ねた。
「まだです。別に食いたくもないので、ウイスキーを少しやったところですよ。」
「そう、あなたは洋酒の方でしたね。然し、老酒も少しいかがですか。」
「いや、大好きですよ。」
当りさわりのない挨拶だけが長引いた。久しぶりに逢ったせいばかりでなく、また、張が側に控えてるからばかりでなく、つき込んだ話に持ってゆきにくい気味合いがあった。
星野は室の中を見廻した。あちこちの卓に倚ってる客たちは、たいてい支那服の商人風な年輩者が多かったが、それがいずれも静粛で、おっとりした温顔だった。星野は妙な気がした。これまで接した中国人はたいてい、饒舌で騒々しく、表情が険しかったのだ。
「ここは、いいですね。なんだかなごやかで……。