Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんのゆうしゅう
秦の憂愁
豊島 与志雄
Lisez 秦の憂愁 (しんのゆうしゅう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 389 caractères · 19 écrans
「剣の道にも通ずる……。」
「そうだ、剣の道にも……。君、詩を書き給え。」
秦は眉根に皺を寄せた。暫くしてから、ぽつりと言った。
「詩を作るより田を作れ、これも東洋精神の一つだ。」
星野はその意を汲みかねて、二つ三つ目叩きをした。
秦はだしぬけに、上海近郊の日本軍経営の農場のことを話しだした。そこには、台湾から来た本島人の青年たちや、附近の農村の娘たちが、数多く働いている。厳格な訓練と規律との中に働いているのだが、今では皆、精気に溢れた朗かな表情をしている。青年たちはその農場を自分等の土地と感じ、もう台湾に帰る気持ちもない。娘たちは農場の仕事を楽しみ、喜んでそこに通勤している。
「彼等の表情を、あなたは見ましたか。」
「いや、知らなかった。」
「それでは、是非一度は見ておいでなさい。」
話がそこでへんに途切れた。なにか言葉に気が乗らなくなった。
その料亭を出て、四辻に来た時、秦はふいに立止った。淡い星影がちらほら浮んでいる夜空を仰いで、そこに佇んでしまったのである。
星野は数歩引き返して、彼を呼んだ。彼は返事もしなかった。星野はその肩を捉えた。彼は棒のようにつっ立ったままだった。