Classiques japonais avec furigana
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ほだかだけやりがたけじゅうそうき
穂高岳槍ヶ岳縦走記
鵜殿 正雄
Lisez 穂高岳槍ヶ岳縦走記 (ほだかだけやりがたけじゅうそうき) de 鵜殿 正雄 (うどのまさお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 443 caractères · 17 écrans
ての出発。梓川の右岸に沿い、数丁登って河童橋を渡り、坦道を一里ばかり行くと、徳合の小屋、左に折れ川を越えて、少々下れば、穂高仙人、嘉門次の住居、方二間余、屋根・四壁等皆板張り、この辺の山小屋としてはかなりの作り、檐端に近き小畠の大根は、立派に出来ている、東は宮川池に注ぐ一条の清流。嘉門次は炉辺で火を焚きながら縄を綯うている、どうも登山の支度をしてはいないらしい、何だか訝しく思うて聞いて見ると、穂高の案内なら昨夜の中に伝えて下さればよかった、と快く承知し、支度もそこそこ、飯をかっこみ、四十分ばかりで出発した。時に前五時四十分。
嘉門次は、今年六十三歳だ、が三貫目余の荷物を負うて先登する様は、壮者と少しも変りはない。梓川の右手、ウバニレ、カワヤナギ、落葉松、モミ、ツガ等の下を潜り、五、六丁行き、左に曲がると水なき小谷、斑岩の大塊を踏み、フキ、ヨモギ、イタドリ、クマザサの茂れる中を押し分けて登る。いかにも、人間の通った道らしくない。大雨の折りに流下する水道か、熊や羚羊どもの通う道だろう。喬木では、ツガ、モミ、シラベ、カツラ、サワグルミ、ニレ等混生している。