Classiques japonais avec furigana
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くうしゅうけいほう
空襲警報
海野 十三
Lisez 空襲警報 (くうしゅうけいほう) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 45 838 caractères · 92 écrans
そして、四ンばいをよして、二本の足で立ちあがった。
畦道がおしまいになって、暗いながらも、火炎の明るさでそれとわかる街道へ出てきた。
(これでやっと歩きよくなる――)
と思って、彼は悦びながら、街道を歩きだしたが、わずか十メートルほどゆくと、道路の上に倒れている人間にドーンとぶつかった。
(オヤ、どうしたんだろう?)
旗男はこわごわ傍へよってみた。道路の上に倒れている人数は、一人や二人ではなかった。誰もみな、身体をつっぱらして死んでいた。そして、いいあわせたように、両手で咽喉のあたりを掴んでいた。
「ああ、敵機はやっぱり毒瓦斯を撒きちらしていったんだ」
旗男も、姉から防毒面を貰わなかったら、この路傍にころがっている連中と同じように、今ごろは冷たく固くなっていたことだろう。
それにしても、なんという憎むべき敵!
ふり落ちる涙をおさえおさえ、旗男はようやく街道に出ることができた。そこで彼は、たいへん夥しい避難者の列にぶつかってしまった。狭い路上には、どこから持ちだしてきたのか車にぎっしりと積んだ荷物が、あとからあとへと続いていた。その車と車との間に、避難民が両方から挟みつけられて、キュウキュウいっていた。